ワンパターン化してしまった夜会
中島みゆき『夜会』VOL.20「リトル・トーキョー」2月2日(土)の公演を観てきた。
これまでの夜会のパターンによくある終盤の「大津波」「雪崩」「火災」「氾濫」などでの死亡フラグ、実は幽霊だったという登場人物の背景で食傷気味。
多くの出演者が歌う=中島みゆき本人の歌が少ない
という公式も一段と際立ってきた。
もう本人もご高齢なので、体力的にもコンサートのように連続でずっと歌うのはキツイだろうし、他の出演者に歌わせて休むというのも無理もないのかもしれないけど、かなり残念だ。声も他の出演者よりだいぶ出てなくて衰えを感じてしまう。
相変わらず、公演前にパンフレットを買って真剣に読まないと、理解できない構成もなんだかという感じ。予習しなくても公演を観ただけで、理解しやすくした方が良いと思う。過去に何回も再演があったのは、「観客が理解しずらい」「言いたいことが伝わってない」ということだったのではないだろうか。今回も同じような印象だった。
まずタイトルの「リトル・トーキョー」というところから、いきなり誤解した。タイトルの印象が、横浜の中華街がリトル・チャイナという感じでのように、各国にある中国人街みたいな第一印象があった。だから、どこか海外の日本人が集まっている街が舞台かと思って見始めた。暖炉が上手にあったので寒いところというのは推測がつく。ロシアとか北欧かと思っていたから舞台が北海道の自然保護区と知るまでの時間差でだいぶ理解の方向性が違ってしまった。そして、そのリトル・トーキョーの看板は単に行方不明になっていた、歌手のお姉さんが戻ってきて歌えるためのステージの名前だったというスケールの小ささに愕然とした。
夜会のための書下ろし曲は、中島みゆきライブ初心者には聞いたことのないメロディーと歌詞のため敷居が高い。既存の誰もが知っている曲が演奏されるとホッとする。今回は『野うさぎのように』が特に良かった。サビのところで耳の形を手で頭の上にかざすポーズが、コンサートでやっていればアクションの定番になっていたかもしれない。
まあ、夜会は現役引退してもおかしくない生の中島みゆきが動いているのを見られるだけでも御の字と考えるのが良いと思う。"Don't think, feel."という言葉がどこかにあったような気がするけど、それが腹が立たないためのキーワードだ。
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