中国、公共バス事情
観光バスや中距離バスは観光客も利用する機会も多いだろうが、地元の人が利用する乗り合いの路線バスを利用する外国人はあまりいないだろう。その路線バスがどこへ向かって行くのか、どこで降りるのかを明確に把握しないと、とんでもないところへ行ってしまうことになる。
中国の道路事情はクラクションを鳴らしまくりながら前の車や歩行者、自転車を蹴散らしながらガンガン突き進んでいくレースさながらの激しさなのだが、それはバスとて例外ではなく、巨大な大きさと重量を持つバスはその強さを生かして突進していき、あり得ないような速度でカーブを曲がっていく。急減速、急加速も当たり前で、立っている場合はしっかりと手すりをつかんでないと転倒してしまう。
そしてこの写真は路線バスの客室の中に必ず用意されている黒いビニール袋だ。つまり、激しい動きで車酔いをして吐き気を催す人が必ずいるということだ。
それからこのビニール袋の近くにある黒い半球状の物体は「監視カメラ」だ。乗降口のところには必ず監視カメラが設置されていて全ての乗客の乗り降りが録画されている。また車内の様子も2台程度のカメラがそれとは別に設置されていて常時4つの画像が記録されている。車内でのスリや犯罪の防止のためだが、どこに行くにしても監視されているということも認識しておく必要がある。
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コメント
ゲロ袋が当然のように置いてあるってのは、いくらエネルギッシュな国とはいえ中国くらいではないのでしょうか?映画「TAXY」を彷彿させ、笑えました。
一昔前は駅などに痰壺がいっぱい置いてあったとも聞きますが、ゲロや痰を掃除する手間を省くことには労力を使っても、その根本を解決することには微塵も労力を使わないあたりが、大陸的というか日本人には理解しがたい世界だと感じます。「その場しのぎの文化」ですよね。
写真では、ゲロ袋よりも先にドーム型カメラが目につきました。監視社会とは聞いていましたが、治安のためだけでは無さそうなあたりが不気味ですよね。
投稿: kaji | 2009.06.16 23:03
長距離の観光バスとか航空機ならゲロ袋も常備されていているのも違和感ないですが、短距離の路線バス内にそれが無造作にぶら下がっているところが凄いですよね。最初、この黒いビニール袋が何のためにあるのか理解できずに通訳さんに「何これ?」と訊いてしまいました。
監視カメラはこういう車両の中だけではなく、街中のいたるところに見られます。暗闇でも被写体に気づかれずに撮影できる赤外線の照明付きのやつとか、被写体に気づかれるストロボを発光させて一定時間ごとに撮影しているやつとか様々です。
重大は犯罪とか反体制の動きの監視のためという名目なのでしょうが、どのように利用されているのか分からないので不気味ですよね。
投稿: かわはら | 2009.06.17 09:47